不思議な巡り合わせがありました。
撮影:おーあみ避難所1年前にクマコを見つけた
『ネコジルシ』の里親募集を再び覗いていたら、
とても大きな耳の子猫の写真に目を奪われました。
名前は
チャイ と名付けられておりました。
数日後に近くのドッグカフェでの里親会に来るというので
取り敢えず、一度逢ってみようと目論んでいたのですが、
その日の撮影予定が丸被りなスケジュールになってしまいました。
スズが逝ってから、まだ四十九日が過ぎたばかりだというのに節操がない?
新しい家族を迎えるにはまだ早過ぎたのだと心に言い聞かせて諦め掛けていました。
ところが当日、撮影が予想外に早く終わり、チャンスが再浮上。
今から向かえば、里親会の終了時間までには間に合うかもしれない!
でも自分より先にチャイを見た人がすでに手を挙げている可能性もある…
三鷹の現場からクルマで向かいながらも無駄足にならない為に
会場となっているカフェに電話をして主催の方に確認を取ってみた。
すると、チャイは前日にお腹を壊したらしく、連れて来なかったらしかった。
安堵と共に少しお預けされたような気分でその日は真っすぐ帰宅。
縁があるのか無いのか諦めるべきなのかと再び心迷わせて…

数日後、映画
『あいときぼうのまち』のトークショーに参加した際に
太田康介(おおた やすすけ)さんというフォトグラファーの方と知り合い、
自身が出版されている写真集を2冊頂きました。
タイトルは『のこされた動物たち』と『待ちつづける動物たち』。
原発事故で取り残された動物たちの保護を手伝いながら
写真を撮り続けているんだそうです。
頂いた本のページをめくりながら、胸が締め付けられました。
あの場所には見捨てられた多くの命の無念と悲しみが満ちている…
こんな事態になる環境は二度と作ってはならないと改めて痛感させられたのでした。

その翌朝、チャイを保護している
おーあみ避難所の大網さんから
「本日、都内のドッグカフェに行くので都合は如何でしょう?」と
チャイの最新写真付きでメールが届きました。
それにしても、なんて耳の大きな猫だろう!
この子は猫意外に何か混ざっているんじゃないか?
それとも単なるレンズ効果?
ますますチャイへの感心は高まってしまい、
運良く休日だった僕は義母を連れて、カフェに出向きました。

実際に逢ったチャイは確かに耳の大きな子ネコでした。
というか、耳より頭が小さいのかもしれません。
カラダの割に頭が小さく、ビリヤード玉ほどしかありません。
手足の長いクマコとも違い、これもまた現代型のネコなんでしょうか?
生後1.5ヶ月ほどで700gの子はこんなもんなんでしょうか?
チャイは三姉妹の乳飲み子状態で届けられた栃木の保健所から保護され、
千葉の乳飲み子育てが上手な方に面倒をみて貰ったそうです。

恐らく普通の茶トラなんでしょうが、柄もシンプルで惚れぼれさせる。
目や口の辺りが白っぽいのも流行のメイクっぽい?
そんなチャイの頭を撫でた瞬間、涙が溢れてしまいました。
スズと初めて出逢った時がフラッシュバックしたのです。
それは亡きスズへの申し訳なさではなく、再会したような感覚でした。
チャイには失礼かもしれないけど、スズを感じたのです。
「この子を下さい…」出逢って数分後には言ってしまってた気がします。

そして驚くべき偶然が…
大網さんはジャーナリストの山路徹さんやフリーカメラマンの方たちと
「福島原発20キロ圏内犬猫救出プロジェクト」の活動をされているという。
「夕べ、同じような活動をされているカメラマンさんから写真集を2冊、頂きましたよ」
「もしかして、太田さんじゃないですか?」「あ、そうです!」「太田さんは震災直後から行動を共にしてきた、言わば同士ですよ」「へぇ〜〜〜〜〜!!!」この連日の偶然の巡り合わせは運命としか言いようがない。
チャイがお腹を壊さなければ、里親は別人だったかもしれないし、
太田さんと大網さんと逢う順番が逆だったら、この関係をすぐには気付けなかったと思う。
神様がいるとしたら、この偶然の出逢いはなんて粋な計らいだろう。
これで次に山路さんに逢えたらビンゴである。
今後もチャイが素敵な出逢いを引き寄せてくれるかもしれない。
そんな気がして、準備期間も設けず、即日連れ帰らせて頂いたのでした。

しかし、それを誰もが許してくれるはずがなく…
次号に続く!
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